2018年1月7日。海外の取引所で相次いで新規登録ができない状態が続いています。2017年12月頃からユーザー数が爆発的に増えてきているのが原因のようです。かくいう私も同時期に始めました。今の所、資金は3倍になっています(超少額ですが)。
今までは、「急がなければ!!」という思いに任せて購入をしていましたが、ここらでしっかりと勉強していきたいと思います。
ということで今回はBitCoin(というか仮想通貨)は、なぜこんなに注目されているのか?を自分なりに勉強してみたので記事にしてみたいと思います。解釈が間違っているのを覚悟で、できるだけ伝わりやすいように書いていきたいと思いますので、おかしい部分があればどしどし突っ込んでください!(ただし、優しく)
参考にさせていただいたのはこちら →
※仮想通貨は儲かる!?とか、そういう視点では書かれていません。仮想通貨の持つ技術が世の中に与えるインパクトがどれだけ大きいのか?という視点で書かれていますのでご注意ください。
このページの目次
BitCoin < 仮想通貨 < ブロックチェーン
BitCoinの基本の基本 でも書かせていただきましたが、BitCoinには様々なメリットがあります。そのBitCoinですが、仮想通貨の一部であり、この仮想通貨は「ブロックチェーン」と呼ばれる技術によって生まれました。
そうです、BitCoinの持つメリットのほとんどは、この「ブロックチェーン」によってもたらされたものです。ブロックチェーンの技術そのものに関してはまた別の記事で書いていきたいと思いますが、ブロックチェーンは何がすごいのか?一言で言うならば。
「低コストで信頼できる情報をやりとり(記録)できる」ことです。
インターネット ◯情報 △信頼
1990年代インターネットは世界中で爆発的に普及しました。それによって、私たちはとても低コストで情報を手に入れることができるようになりました。「辞書を引く」は「ググる」という言葉に置き換えられつつあるのではないかと思います。
さらに、ブログやSNSの普及によって個人でも簡単に情報を発信することができるようになりました。自分の持っている情報を共有しあうことでネット上を飛び交う情報は爆発的に増大しました。
簡単に安くたくさんの情報を得ることができるようになった一方で、ネット上にはデマが溢れ、なりすましやハッキングなどの新しい犯罪も生まれました。そのため、ネット上で信頼できる情報をやりとりするにはコストをかけてその信頼性を確保する必要があります。
高い海外送金手数料
例えばインターネットバンキングは、SSLという技術を用いてその信頼性をある程度確保しています。さらに、「銀行」という信頼できる機関が運営しているからこそ私たちはある程度信頼することができています。銀行は、私たちからの信頼を得るため最新鋭(であることを祈りたい)の設備を導入し、優秀な技術チームを動員してインターネットバンキングの信頼性を保っています。これには、莫大なコストがかかります。
そのため、ATMでお金を下ろしたり、インターネットバンキングを使って振込をしようとすると手数料がかかります。国内ならまだしもこれが海外の銀行の場合、想像以上のお金がかかります。
例えば国内大手UFJさんの場合、インターネットバンキング経由でも¥5,000くらいかかるようです。
私たち日本人は、留学や海外赴任でもしない限り日本から海外に送金するなんていうことはあまりないかもしれません。しかし、これがビジネスならばどうでしょうか?現地で仕入れするために、日本の銀行からお金を送るたびに手数料がかかり、それは商品の価格に転化されます。
また日本人にはあまり馴染みがありませんが、東南アジアでは海外への出稼ぎ労働というのは対GDPに対する比率が非常に大きいものになっています。私も昨年、ベトナム・タイ・フィリピンを回ってきたのですが、これらの地域では昔から中東へパイプラインを作りに行ったり、欧米へ家政婦として働きに出たり、台湾・韓国での工場生産に携わったりと、海外へ出稼ぎに行って家計を支えようとする若者たちがたくさんいました。(参考 日経新聞電子版)
頑張って働いてやっと家族に送金できる!という時に、日当に近い金額を手数料で持って行かれてしまうのです。
ビットコインは送金手数料が安い
そうなんです。ビットコインが持つ通貨としての一番の魅力は、この送金手数料が圧倒的に安く済むのです。そして、それを可能にした技術がブロックチェーンです。
今までは、銀行そのものやそこで働く人たち、また導入されている高価な機械が「海外にお金を送る」という、非常に信頼を求められる作業をやってくれていたのが、このブロックチェーンによって「信頼性を保ったまま低コスト」で送金できるようなったのです。
ブロックチェーンが登場するまでインターネット上では、「信頼できる人間が存在しないまま」「信頼できる情報をやりとりすること」は不可能と言われてきました。(ビザンチン将軍問題と言うそうです)しかし、ブロックチェーンには、責任を持って私たちのお金を相手に届けてくれるための銀行のような管理者は存在しません。
ブロックチェーンがどうやって低コストで信頼性を保ったまま、情報を記録しているかというと、
Pear To Pear(P2P)
と呼ばれる仕組みを利用して、世界中のコンピュータ上に取引の履歴をどんどん記録していきます。特定の管理者を作らずに、そこに参加する全員で管理していきます。そのため、1台のコンピュータのデータを書き換えても、その他のコンピュータと整合性が取れなくなってしまいます。
暗号化
世界中のコンピュータに記録されると言うことは、私たちがどれくらいのお金を誰かに送っていることがバレバレになってしまいます。そのため、ブロックチェーン上には暗号化されたデータが記録されます。この暗号は、取引を行った本人にしかわからないようなっています(本人の持つ秘密鍵)。そのため、ブロックチェーンの中をのぞいても、誰が誰にいくら送ったか?という情報を知ることはできません。(その鍵を無くしたら本人ですらわからなくなり、一生取り出せなくなります・・・)
Proof of Work(PoW)
P2P上には過去のデータがずーっと記録されています。そして、ある一定期間ごとに過去のデータを元にして計算された「ある値」を作り出します。その値をネットワークに接続されたコンピュータが計算によって導きだします。その作業がマイニングと呼ばれる作業です。正確な記録を残すための作業を世界中のコンピュータが競って計算します。そして、一番早く計算してくれた人にお礼としてビットコインを分け与えます。
と言うのが一連のブロックチェーンの流れです。
まとめると
・P2P → 複数人の有志によってお互いを監視し合うことができる。
・暗号化 → 記録される情報を暗号化することで誰がいくら持っているかや取引の履歴をわからないようにしている。
・PoW → 通常の記録作業を有志のコンピュータに報酬を与えることで低コストで実現している。また、過去の情報全て遡らないと改ざんができないような膨大な仕事量を必要とする仕組みになっている。
といったところだと思います。
よくありがちな勘違いですが、「銀行のような中間業者を省いて直接取引を行う」からコストが安くなっているわけではなく、信頼性を担保する新たな仕組み(設備ではない)を作ったことで低コストを実現しているのです。
ゼロダウンタイムを実現
また銀行の場合、銀行のシステムがダウンしてしまうと取引ができなくなってしまいます。それどころか、もし銀行が倒産するようなことになれば、我々の預金は返ってこないかもしれません(ペイオフで¥1,000万までは返ってくるかもしれませんが)。
ブロックチェーンの場合、世界中に分散されたコンピュータ上に取引の記録が残っているため、どこかのシステムがダウンしてもブロックチェーン自身がダウンすることはありません。これはゼロダウンタイムとよばれます。(送金詰まりは起こることはあるようですが・・・)。
ここもよく勘違いされるのですが、上記の理由からブロックチェーンを利用した仮想通貨の仕組みはハッカーや銀行強盗などの攻撃に対して強いのです。でも、実際に取引所がハッカーに攻撃される事件が起きているのも事実です(Mt.Gox事件に代表される)。これは、ブロックチェーン自身がハッキングを受けたのではなく取引所がハッキングを受けたのです。通常、仮想通貨はウォレットと呼ばれる電子財布に保存されるのですがこれを代わりに預かってくれているのが取引所です。この辺は、おいおい書いていきたいなと思っています。
ブロックチェーン2.0(ビットコイン2.0)
ここまで読んできて気づいた方も多いかと思いますが、ブロックチェーンは通貨だけに止まる技術ではありません。すでに新たな通貨や構想が生まれています。これらのものはブロックチェーン2.0やビットコイン2.0などと呼ばれています。
・Ethereum{イーサリアム(英語の発音ではエセリウムって言うそうです)}
こちらは、ブロックチェーンの技術を応用して取引にかかる契約などの情報を自由に実装できるプラットフォームです。これはスマートコントラクトと言うそうです。Contractとは契約のことですね。すでにこのプラットフォームを利用したアプリなどが登場しているそうです。
※つたない翻訳ですが、こちらでも紹介しているので是非ご一読ください → ホワイトペーパー要約その1(Ethereum:ETH編)
・Factom(ファクトム)
これは、土地の登記などの様々な記録の管理をおこなうためのプロジェクトです。特に日本のような書類社会では、これが実現したら公務員の方々は、地域のためにもっともっとできることが増えるのではないか?と淡い期待を抱いてしまいます。
・Auger(オーガー)
こちらは、未来を予測するためのプロジェクトだそうです。賭け事のような使い方が取り糺されているようですが、冒頭でご紹介した本の中では、未来を人々がどう予測していくか?もしくは、どうなって欲しいかを?を行動の指針にするのではないか?と言うことを書かれていました。どの分野への成長を人々が望んでいるのか?そこに経営資源を投入することで、新たなビジネスや技術が生まれてくるかもしれないですね。ただ、多数決による数の暴力が発生しないか少し不安は残りますが。
こういった情報は、各プロジェクト(通貨)のホワイトペーパーと言われるところに書かれています。英語で書かれているものが多いですが、勉強がてらぜひ目を通していきたいと思っています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?つたない説明でしたが、少しでも理解の手助けになれれば幸いです。
今は投機的な商品として捉えられがちな仮想通貨ですが、その元となる技術はインターネットに負けないほど、世の中(日本ではなく世界規模で見た)を変えるインパクトを持っていると思っています。
私はそう遠くない将来、日本ではなく東南アジアの新興国で仮想通貨が爆発的に普及すると真剣に思っています(ビットコインがそうなるかはわかりませんが・・・)。なぜか?そこで暮らす人々の生活にとって必要なものになると思っているからです。
それは、固定電話が普及していた日本よりも、中国や東南アジア、アフリカでの携帯電話の普及のスピードが圧倒的に早かったように。15年前に初めて中国に行ったのですが、周囲の人たちがこぞって携帯電話を購入していた姿は今でも忘れられません。
少し歩けばコンビニがあり、ATMで24時間いつでもお金を出し入れできる日本より、少し都市まで出ていかなければ自由にお金の出し入れもできない地域が東南アジアには無数にあります。偽札もびっくりするほど蔓延しています。精錬された社会で暮らし、物質的に満たされている私たちには〇〇ポイントのような、ただのデジタルマネーのように見えているかもしれませんが、新興国で暮らす人々にとってはどれだけ生活を助けることになるでしょうか。
再来週、出張でミャンマーに行ってきます。そこで、現地の人々がどのようにして暮らしているのかをレポートして記事にしたいと思いますので、よかったらそちらも読んでくれれば嬉しいです!!
それでは、長文にお付き合いいただきありがとうございました!!