このページの目次
- 1 OmiseGoとは
- 2 OmiseGO Whitepaper要約
- 2.1 OmiseGO:分散型取引および支払いプラットフォーム
- 2.2 Abstract(概略)
- 2.3 1 Introduction and Problem Statement(導入と問題点)
- 2.4 2 Design Approach (デザインアプローチ)
- 2.5 3 Blockchain Overview and Mechanism(ブロックチェーンの概要とメカニズム)
- 2.6 4 eWallets(eウォレット)
- 2.7 5 Decentralized Exchange (分散型取引所)
- 2.8 6 Lightning Liquidity Provider(ライトニング流動性プロバイダー)
- 2.9 7 Economic Implications for OmiseGO Tokens(OmiseGOトークンの経済的意味)
- 2.10 8 Limitations(制限事項)
- 2.11 9 Conclusion(結論)
- 2.12 10 Acknowledgements(謝辞)
- 3 勝手にまとめ
OmiseGoとは
2013年6月にタイで創業したオンライン決済プラットフォームを提供する企業「Omise」が作り出した仮想通貨プラットフォームです。他の通貨と違い、すでにオンライン決済企業として事業を行なっている点が特筆すべきところであり、なんとOmiseのCEOであるJun Hasegawa氏は日本人です。
Omiseは、もともと東南アジアで急速に普及するEコマース(電子商取引)に目をつけ「OmisePayment」という決済サービスを提供していました。東南アジアは、私たち日本人とも経済的に非常につながりが深く、個人的には今後非常に期待したい通貨の一つです。
2018年5月現在、残念ながら国内の仮想通貨取引所では扱っていない為、海外取引所を利用する必要があります。日本でも馴染みの深いBinanceで購入することができますので興味のある方はこちらの記事も合わせてお読みください↓
OmiseGOのホワイトペーパー原文はこちら → OmiseGO Whitepaper
OmiseGO Whitepaper要約
OmiseGO:分散型取引および支払いプラットフォーム
著者:ジョセフ・プーン、OmiseGOチーム
2017年6月17日
Abstract(概略)
OmiseGOとは、分散型取引所(Decentralized EXchange:DEX)、流動性供給(Liquidity Providerリクイディティ・プロバイダー)のメカニズム、クリアリング・ハウス(Clearing House:CH)へのメッセージネットワーク、資産を裏付けるブロックチェーン・ゲートウェイ(Gateway:出入口)によって構成されています。
OmiseGOは、単一の組織によって所有されてはいません(中央集権的ではありません)。代わりに、すべての参加者の行動を検証(バリデート)できるオープンな分散型ネットワークです。
OmiseGoでは、トークンを生成するプロトコルにPoS(Proof of Stake)を使用して参加者間の活動を可能とします。この高性能な分散型ネットワークは、法定通貨の発行主体から完全に分散されたブロックチェーントークン(ERC-20スタイルのネイティブな仮想通貨)への資産の移動を実施します。
他の多くの分散型取引所プラットフォームとは異なり、信頼できるゲートウェイトークンを使用せずに、他のブロックチェーンや複数のブロックチェーン間での分散的な交換が可能になります。市場では、スプレッド(手数料)を大幅に削減でき、分権を通じた市場保証が奨励され、市場活動の透明性の向上が期待されます。これは、スマートコントラクトや、注文書を照合する際の正しい市場活動を実施するプロトコルトークン。また、クリアリング・ハウスの外部とEthereumの結合を新たに構築すること。そして、Ethereumスマートコントラクトで使用するための過去の取引データへのコミットメントによって達成されます。
1 Introduction and Problem Statement(導入と問題点)
ブロックチェーンの主な役割は、参加するネットワーク間で多国間協定の整合性の問題を解決することです。透明性、保証性、実施性を確保することで、これまで可能ではなかった多国間協定を可能にすることができます。すべての参加者の行いが透明であるだけでなく、その仕組みも大きな労力無しには変えられないことが保証されている場合、参加者にとって喜ばしいことです。ビジネスプロセスの変更や情報の非対称性を利用して、一方の参加者が将来他の参加者に対して変更による手数料の徴収を強いるのを困難にすることを、参加者に高いレベルで保証します。言い換えれば、ある参加者はビジネスプロセスとメカニズム自体が他の単一の参加者によって所有されていないシステムというものをより好んで使用ます。
決済処理機関、ゲートウェイ、金融機関の間には根本的な整合性の問題があります。例えば、銀行の顧客は別のネットワーク(金融機関等)への支払いができることを望みます。昔から、決済ネットワークと金融機関の間には、互換性を持つ決済システムの開発を中心に大きな労力が費やされて来ました。通常、これらは相手型の中央清算期間(クリアリング・ハウス)、または当方/先方の決済口座のいずれかとのメッセージングネットワークを介して、インターチェンジを管理するクリアリング・ハウスを作ることによって構築されてます。例えば、FedWire、CHIPS、SWIFT、民生用カード決済ネットワーク、NSCC / DTCC、OCC、ACHなどがあります。
これらのネットワークは、市区町村や国への支払い、海外への支払い、信用による貸し借り、株式や資産への交換、およびデリバティブを含むさまざまな役割と機能を提供します。これらの中央集権化されたネットワークは、制御主体が任意にそのメカニズムを決定・変更することを可能とし、結果、情報コストやデューデリジェンス(相手方への調査)、およびすべての参加者間の契約を執行するため相当量の取引コストが生じます。
現在、新しい支払いプラットフォーム(Venmo、Alipayなど)を使用したデジタル決済という大規模な新興市場が混乱の時代を迎えていると私たちは考えています。これらのネットワークは、通常、インターチェンジとなる機関を信頼する上でかなりの間接費を必要とするため、ネットワークをまたいだ取引を嫌う人たちは数多く存在します。いずれの参加者も他の参加者に取引を委ねることを望んでいないため参加者は中央となる機関を使用することを嫌います。また、先方 / 当方の決済口座の間には参加者間での契約が必要となります。
大規模なネットワークはネットワーク外部性(参加者が他の参加者に与える影響・効用)の保護に大きなインセンティブを持っているので、多国の参加者間でより緊密な整合性を必要とするようなeWalletサービス提供したいと望む企業は数多く存在していると考えています。これらの中規模の参加者は、ネットワーク全体に価値をもたらし、ユーザビリティに十分なネットワーク外部性をもたらすことができます。これらを提供する参加者達のインフラとフロントエンドにより、ネットワーク外部性をエンコードすることができ、新興のeWallet参加者が即座に高いネットワークユーティリティを生み出すことができるようになります。
ブロックチェーンにより、社会は単一企業による中央集権型からオープンな分散型コンピューターネットワークへと世界のビジネスプロセスを外部化することができます。OmiseGO(OMG)は、市場の流動性、注文の照合および執行、クリアリング・ハウス管理業務を分権化するネットワークです。そして、これら新しいeWalletネットワーク間での決済を解決に導く高いスケーラビリティを提供します。
単一企業によって行われてきた、伝統的なビジネスプロセスをシフトすることにより、分散型の高性能なオープンネットワークで、eWalletプロバイダにあらゆる交換プロセスを提供することが可能になります。
2 Design Approach (デザインアプローチ)
最終的に必要となる要件は、法定通貨に戻した時の価値を保存しておけるeWalletプラットフォーム用の分散型メカニズムの構築です。このeWalletでのフィアットトークン(独自の法定通貨のようなもの)は、最も効率的な交換/仲介ができるように、公開済みのEthereumチェーン上でETHを使うことが可能になっています。私たちは、OmiseGoが多くのeWalletプラットフォームにとって有用な場所として機能し、分散型の仮想通貨により多くの活動と価値をもたらすもの信じています。
この分散型ネットワークが、eWallet間での交換手としての中心的な機能となる為、OmiseGOのブロックチェーン台帳はeWalletサービス(または任意のユーザー/ノード)ごとに一般的な残高を保持するために必要です。この元帳は、多くの資産や商品といったものを保持できる必要があります。しかし、単に元帳に保持するだけでは交換には不十分です。これらの資産/商品で取引できることを可能にしなければいけません。
交換を行うためには、公開されている市場で多数の異なる通貨に渡ってオーダーできる必要があります。これには、分散型の注文書と取引のための動力源(トレーディングエンジン)が必要です。トレーディングエンジンはOMGブロックチェーンに組み込まれています。検証完了した注文が十分な数に達したとき注文は公表され、検証完了した注文すべてがブロックの一部として記録されます。これにより、eWalletプラットフォームが一つのエンティティ(主体となるもの)に集中的な信頼を必要とせず(中央集権的な仕組みを必要とせず)に、他のeWalletプラットフォームと交換することができ、一つのエンティティ(主体となるもの)が主導権を持たない分散型取引が行われます。
ただし、eWalletにあるフィアットトークン間の直接のやりとりは、膨大な量になる可能性があるために望ましくない場合があります。単一の趣向がない流動的な市場では、仮想通貨を使用する必要があります。Ethereumのスマートコントラクトと結びつけることによって、ETHや他の仮想通貨がeWallet内でペアとなることが許可され、ETHをOMGチェーンの活性化のためにとどめおくことができ、流動的な市場が形成されます(すべての通貨ペアがETHであるならば、通貨の変動が小さい場合スプレッドはずっと小さくなります)。
非常に小さなスプレッドを必要とするアクティビティ(少額取引)では、いくつかのeWalletトークンが交換用の中継点として使用されることがあります。ただし、プログラムによる判定に関連する整合性/信用の利点があることにより、分散化されたトークンを決済に使用する強いインセンティブが発生します。
eWalletフィアットトークンは、必要に応じて他のeWalletトークンを使用してやりとりすることもできます。しかし、スマートコントラクトアクティビティの短期為替レートの変動に影響を及ぼさないことを考えると、メインはETHとなります。仮想通貨をeWalletプラットフォームの基盤とすることにより、そのプラットフォームは、eWallet間の交換活動の間でさえも活動の場として保証することができるようになります。そのためには資金の流動が必要であり、OmiseGOの分散型取引は、価値の低い交換のために取引することは望ましくないかもしれません(大量の小額支払い等)。
2つの異なるeWallet間のすべての決済に、分散型の取引が使用される必要はありません。eWalletには、他のeWalletのフィアットトークンの一部を保持し、小規模な取引のために一般的な方法を用いる手段があることが期待されます。Lightning Networkのような構成では、eWalletで残高を保持しているときに迅速な支払いができるように支払いをオフチェーンで発生させることが可能です。eWallet内の残高をOMGチェーンに簡単に移植することができるよう実装されており、BitcoinとEthereumの間の支払いを可能にします。
OmiseGOブロックチェーン構築の結果、「分散型取引」「仮想通貨(ETHのような)とのマッチング」「取引台帳」「および完全に管理されている信用を必要としないクリアリング・ハウス」によってサポートされるeWalletでの取引が可能になります。
2.1 Decentralized Liquidity Hub for Channels(チャネルのための分散型流動性ハブ。)
これらを構築することは、Bitcoin(およびある程度のEthereum)などのさまざまな仮想通貨の支払いチャネルで使用するための流動性がある分散型プールを創出できるという更なるの利点があります。
ブロックチェーン上の個々のトークンを決済するために、ノードの検証やマイニングの負荷を軽減し基礎となるチェーンに影響を与えずにブロックチェーンの活動を拡大する必要があります。したがって、Lightning Networkの活動(またはチャネルを使った同様の構築)を行う必要があります。しかし、Lightning Networkは、ネットワーク外部性に大きなプレッシャーをかけてしまうため、流動性プールは単一の信頼できるエンティティ(主体となるもの)に集中するのを防ぐことが望ましいと考えられます。
分散されたクリアリング・ハウスと同じメカニズムを使用することで、私たちはより複雑なスマートコントラクトをサポートするトークンで単一の個人が所有していないLightning Networkハブを作成できます。単純なスマートコントラクトを持つ通貨の場合、ネットワーク上のどのノード(Bitcoinネットワークなど)もOMGチェーンプールへのゲートウェイとして機能し、他の参加者とクロスバックすることができます。これによりOmiseGOチェーンは、「分権」を奨励しながら多くのチェーン上の活動をオフロードすることができます。
我々は、決定論的で既知のコンセンサスルール(合意形成ルール)を持つ分散型のステークチェーンによって、流動的で自然なネットワーク外部性が中央集権化を緩和することができると考えています。特にEthereum(およびその他の完全な機能を持つのスマートコントラクトブロックチェーン)では、すべての参加者が単一の資金プールとして動作するETHスマートコントラクトにチャネルを設定しています。
OMGチェーンがつながっている状態は、参加者の現在の口座を反映しています。これにより、参加者はOMGチェーンのコンセンサスルール(合意形成ルール)に従って割り当てられるこのネットワーク上に流動性を供給することが可能になります(時間の経過とともに堅牢なテスト/検証が行われる前にこの構成が成功してしまった場合、このブロックチェーンが仮想通貨空間からすべての予備の流動性を吸い上げるのを防ぐために、早期に制限が設けられる可能性があります。)これにより、これらの資金はOMGチェーン上の流動的な活動に使用することができます。
3 Blockchain Overview and Mechanism(ブロックチェーンの概要とメカニズム)
前述の仕組みは、大量のアクティビティ(活動主体。大量の国も含む)を必要とし、現時点ではすべての活動がEthereumのメインチェーン上で実施されるのには適していませんが、構造上はOMGチェーンによって提供される契約の履行をトリガーにすることで、公開されているEthereumチェーンの取引活動と結び付けることになります。
私たちは、主にEthereumによってサポートされているトークンや資産間の取引を可能にするために、他のブロックチェーンにもフックするブロックチェーンを構築しています。個々のチェーンの観点から、私たちはOMGチェーン自体の活動によって契約された状態が結びつく拡張性のあるブロックチェーンを構築しています。他のチェーン上のアクティビティは、Ethereum上に提出できるOMGチェーン上のBTCリレーと同様の(ただし、別の方法で構築された)チェーン間でコミットされた証明を介して、このチェーンと相互にリンクできます。
OMGチェーンは、すべての参加者の行動(他のチェーン上のアクティビティを含む)を検証します。言い換えると、OMGトークンの役割は計算と実行を提供することです。トークン自体はこのブロックチェーン上のアクティビティの接着剤として機能し、不適切なアクティビティが現れたら接着剤(トークン)がOMGチェーン上で破棄されます。深い執行力を持つカスタムチェーンを作成することで、私たちは合意形成の為のルールがハイパフォーマンスな活動を最適化することが可能なシステムを構築できます。設計は迅速な実行と生産のために最適化され、ゆっくりと解決されます。
将来、イテレーション(繰り返し処理)にはOMGチェーンのシャーディング(データの分散処理)が含まれる可能性がありますが、初期のイテレーションではブロック伝播のスループット(処理能力)が高いと想定されます。
所有しているOMGトークンは、合意形成のルール内でこのブロックチェーンを検証する権利を購入することに使えます。支払、交換、取引、クリアリング・ハウスの使用を含む(但しこれに限定されない)ネットワーク上の取引手数料は、検証結果に間違いがなく契約状態を結合(ブロックをつなげた)できた者に与えられます。
トークンはユーザーに検証を提供する恩恵や、コストとしてのネットワークの手数料に該当する価値を与えます。このトークンは、低コストの攻撃を防止しネットワークを強化するためには必要です。
第三者に検証を委任できるようにするために、当社のロードマップ上に計画として組み込まれる可能性があります。これにより、再委任が必要になる前に、一度に限られた量を削り取ることができます(正確なメカニズムは、まだセキュリティモデルには指定されていません)。これには高性能なシステムとして設計する為に、リンクを通じて信頼を得られるブロックチェーンの構造が必要です。このシステムでは、Ethereum上で最終的な送信のみを行い、非常に大量のトランザクションを処理できることが期待されます。
清算と決済は、OmiseGOブロックチェーンを介して行われます。 コンセンサス(合意形成の)ルールは、このPoSネットワークを介して実施されます。このネットワークのコンセンサスルールの一環として、すべてのOMG(Omise GO)バリデーター(検証者)がEthereumネットワークを並列検証する必要があり、ブロックチェーン間の検証に関して第1級オブジェクトとしてEthereumをもたらします。
Ethereum / ERC-20の結合および中止などの機能について、BLS署名方式(またはSchnorr)が近い将来にEthereumで有効になると想定されています。仮想通貨などのトークンは管理主体が存在せず、スマートコントラクトでロックされています。(Rippleなどの他の交換プラットフォームとは異なり、基盤となる信頼できるゲートウェイが必要です)。また、名前を中心にした検証セット(例えばリップルのような)に依存しません。
OMGブロックチェーンは、Ethereumチェーン上でのマッチングと注文の実行を管理します。OMGのアクティビティは、バリデータアクティビティがEthereumのスマートコントラクトを介してEthereumチェーンに適用される可能性を保証します。BitcoinやBitcoinのようなシステムでは、Lightningネットワーク上のクリアリング・ハウスネットワークを介した取引が可能です。ブロックチェーンは、コミットされた証明を通じてこのネットワーク上のアクティビティを実行します。
Ethereumのネットワークほど堅牢ではありませんが、フルノードの検証なしでOMGチェーン上で編成されたアクティビティの即時払い戻しと決済が可能になります。ブロックチェーンの再編成を許さないノードについては将来、部分的な検証を行う予定です。 reorgをサポートするブロックチェーンを使用したネイティブなSPV検証は、セキュリティのためにこのネットワーク上では許可されていません。
合意形成のメカニズムとセキュリティプロパティの詳細な説明は、Exonumia Labs、IncのJoseph Poonによって2017年夏に(現在進行中の)次の論文で提供される予定です。この論文の構成(そしてその後のOmiseGOの実装)は、将来多くのオープンソース・トークン・プロトコルのブロックチェーン・プロジェクトにとって有益であり、分散型データ処理のインセンティブの創出やブロックチェーン間での財務活動など、新たなチェーンのために新しい構造を提供する可能性があります。
私たちは、OmiseGOとその分散型取引の形が、プロトコルトークンのエコシステム(生態系)全体を刺激したり立ち上げることができる技術やインフラのベースレイヤーを提供する上での中核となることを願っています。
OmiseGOの初期バージョンでは、Tendermintコンセンサスの側面を使用することがあります。
※Tendermint consensus:PoS型コンセンサスアルゴリズム。ß
3.1 Light Client Validation
OmiseGOは、多くのトランザクションを処理できる高性能ネットワークとして構築されていますが、部分的な検証や外部のスマートコントラクトの実施には、ライトクライアントの証明を作り出す必要があります。
最も新しいブロックの状態をコミットメントするだけでなく、ブロックごとにコミットされたトランザクションのマークル木も含まれます。
※マークル木(ハッシュツリー):http://gaiax-blockchain.com/merkle-tree
現在の状態は、最も新しいブロックの状態のコミットメントとそれまでのブロックをダウンロードする任意のノードによって取得することができます。
最も新しい状態のブロックには、最も新しい状態のツリーが含まれているため、クライアントはチェーン全体をダウンロードせずに最も新しいコミットメントを見ることができます。これは、組織の再編成や停止攻撃に対して十分な経済的インセンティブがある場合にのみ可能であることに注意してください。 OMGチェーンは、結合された証明を使用して重大な阻害的ブロックの再編成を行うように設計されていますが、ブロック確認の必要性を保証するものではありません。現在のSPV Bitcoin検証の実装と同様に、検閲のリスクに関してフルノードにはいくつかの信用が与えられています。私たちは取引量を考慮して、分散型の取引のためにコミットされたブルームマップが実現可能であるとは考えていません。ライトクライアントは、十分な数のバリデーターに処理されたトランザクションだけでなく、フルノードから取得した部分的なデータも検証することができます。
OMGチェーンのスマートコントラクトの構造上、クライアントがEthereumチェーンのアクティビティを検証することが強く推奨されています。
4 eWallets(eウォレット)
OmiseGOは決済機能をサポートしていますが、特定のeWallet決済提供者(EPP)内の決済処理を第一には設計されてはいません。単一のEPP内では整合性の問題は生じず、整合性の問題は主にEPPを跨ぐ上で発生すると私たちは考えています。しかし、EPP間での取引が必要であるために、決済はブロックチェーンを介して行われる可能性があります。このブロックチェーンにより、EPPはOmiseGO上でトークンを発行をすることができます。これにより、プラットフォーム上の法定通貨、または任意の資産クラス(ロイヤルティ・ポイントなど)を裏付けとする法定通貨建ての通貨が許容されることになります。
OmiseGOは誰でも資産を発行できるオープンシステムですが、発行や監査が正しく行われるかは、個々のユーザー(またはユーザーに代わりとして振る舞うEPP)の責任となります。これは、発行を可能にするスクリプト(秘密鍵付き)に添付された発行物を作成することによって達成されます。代わりに、Ethereum上でERC-20トークンを発行し、スマートコントラクトでそれらをロックすると、OmiseGOチェーン(REP、GNTなど)上の既存のERC-20トークンを処理するための方法と同様のアプローチで、OmiseGOチェーン上で取り扱うことができます。
デフォルトの構成では、使い易さのためにEPPはユーザーの代わりに資金を直接保持していると推定されます。これは、今日のCoinbaseや多くの集中型の取引所のように仮想通貨の完全保管を行うウォレットに似ています。これにより、EPPはブロックチェーンアクティビティを引き起こさず、自分のネットワーク内でのトランザクションを無償で構築することができます。しかしながら、EPPから直接引き出したり、OmiseGo上で発行されたトークン(法定通貨など)を取引することも可能かもしれません(チェーン上のEPP保管アカウント内で取引されなければ、オンチェーン手数料が発生する可能性はあります)。これにより分散型の取引が可能になり、また独自のネットワーク上で手数料ゼロのトランザクションを必要とする一部のEPPのニーズを満たすことができます。EPPは、多くのホストされた仮想通貨ウォレットと同様に集権型のソフトウェアを提供し、展開時間を大幅に短縮し、EPPのインフラストラクチャ上でネットワークを越えた支払いのみをホストします。
サードパーティでは将来、チェーン上のEPP残高を保持できる分散型ウォレットを開発することもできます。
ブロックチェーンの一部としてeWalletプラットフォームを構築することで、OMGブロックチェーン上の分散された通貨とプロトコルトークンとを直接取引することが可能になります。
4.1 eWallet Compliance(eウォレットコンプライアンス)
トークンの発行者からの証明を要求する転送制限は、発行者のポリシーに応じて発行されたトークンによって許可されることがあります。
EPPは、証明書に署名する前にKYC検証を要求することがあります。制限には、証明書所有者のみへの取引制限やフロー制御への取引制限が含まれます。(特定の発行されたトークンに対して、アカウントの持つ残高や取引可能量におけるアカウントあたりの取引制限。)これは、これらの制限にフラグを立てないトークン、または分散型の仮想通貨には適用されません。 各EPPは、発行されたトークンのライセンスおよびコンプライアンスを保証する責任を負います。
5 Decentralized Exchange (分散型取引所)
eWalletでやり取りをおこなうプラットフォームの中心的なコンポーネントは、分散型取引所です。これはEPPから発行されたトークンをサポートしますが、分散型の仮想通貨間の取引もサポートします。
分散型取引所は、価値観が異なる様々な表現を持つ可能性があるため、eWalletでのやり取りには理想的な場合があります。また、同じベース(価値)を持つ取引であっても、カウンターパーティーリスクとコストは異なります。
※カウンターパーティーリスク:契約履行前の相手方(取引所)の倒産リスク
たとえ同じものに裏付けされていても、eWallet AとeWallet Bは異なります。そのため、適切な市場運営のためには、流動的(たとえ為替相場の差がわずかであっても)な市場が必要です。
分散型取引所は、最初にラウンド毎の取引に対してマッチングが行われるバッチオークションの構造を使用します。オーダーが満たされるまでの間、特定のラウンド(ブロック高)を購入することや、未確定のオーダーを残すことが可能です。バッチオークションでは、注文を据え置くことができ、特定の間隔で一度に処理が実行されます。 この構造により、分散型ネットワークを通じて高い保証とパフォーマンスが得ることができます。注文書に注文が残っている可能性がありますが、EMVカード端末に匹敵するほど速く実行できます(コンセンサスメカニズムのより一層の研究が必要ですが)。
特定のユースケースに対して速度が不十分な場合に、EPPは高速トランザクション用にサポートしたい他のEPPの残高を保有する責任があります(より高いスプレッド:手数料を請求する可能性があります)。これにより、小規模で日常的な購入や大規模な購入などでも分散型取引所を利用することができます。
低レイテンシーで高頻度な注文を実行できることが望ましいとはいえ、分散型ネットワークではそうすることに重大な障害があります。単一点で実行されることが、注文を一致するのに必要な機能です。単一の「エンジン」で発生した注文が実行できなければ、シビルアタックやたった一人の参加者を信用してしまう可能性があります。もし誰かがオーダーを作成し多くの場所で実行した場合、実際のオーダーコミットメントは発生せずに、誰かが容易にネットワークにシビルアタックをしかけ、オーダーを自己実行するふりをすることができます。さらに、信用されていない実施場所では、このネットワークの必要な機能であるスマートコントラクトで外部的に使用する受信機を作成することができません。
このネットワークの目的は、抜群に価値の高い取引と決済プラットフォーム(大量の低価値なネットワークではない)を目指して設計されています。
低レイテンシーで高速実行を可能にする代替手段として、外部の集中型機関の使用を許可することも可能ですが、これは単一のエンティティ(主体となるもの)に対する信用(中央集権的な環境)を作り上げることになります。取引の流動性が自然に集中するにつれて(決済の集中化よりはるかに強力な)、重要な信用/整合性の問題が発生し、現在の仮想通貨取引所のようになってしまいます(唯一の違いは非保管です)。しかし、この構成では、単一の信頼できる主体との取引(中央集権型の取引)を望んでおらず、整合性の問題を解決する必要がある(分散型取引を望む)といった参加者がもつ課題は解決されません。
OmiseGOの分散型取引は、透明で実行の挙動が明らかであることを目的としています。私たちは、信頼できる非保管型を遂行することが、分散型実行エンジンを補完できるオプションだと考えています。OmiseGOは、今後これらのプラットフォームをサポートする可能性があります。成熟した分散型取引所は、スマートコントラクトのための分散型オラクルとして使用することができ、非保管型の信頼できる実行環境を上回る利点があります。
この分散型取引所は、プルーフ・オブ・ステーク(PoS)ネットワーク上で注文が伝わっていく場合に高い能力を発揮するように設計されています。十分な参加者がブロック確認をしたオーダーを持っている場合に、オーダーは注文書に記載されます。特定のバッチ処理実行ポイントにある注文書は、バッチ処理実行ポイントまで実行されていなかったすべてのオーダーの取引記録です(したがって、注文書に一致するオーダーが存在します)。初期の構成には透明なオーダーが含まれていますが、盲目的なオーダーを置くことによる偽造コインのような構造を実現することは可能です。その時、それ以上のオーダーは受け入れられず、オーダーを出した参加者によって盲目的なキーが解放され、設定された時間後に実行されます。初期のバージョンでは、完全に透明なシステム(バッチ処理形式で、ある程度の敵対行動を緩和する)を使用します。その結果、単一の「エンジン」、すなわちプルーフ・オブ・ステークでの分散型取引が実行されますが、実行ルールが透明で検証が可能であることが保証されたシステムとなります。
5.1 Ethereum Trading(イーサリアムのトレード)
OMGが効率と安全性を最大限に高めるために、公開されているEthereumブロックチェーンのフルノード検証を必要とするとき、OMGチェーンの状態に応じて資金をロックするEthereumブロックチェーンのコントラクト(契約)を作成することができます。これらの資金は、ただちに結合・ロックされ、その活動はOMGチェーンによって実行されます。オーダーが実行されると、Ethereum側の資金ロックを解除するための証明が提供されます。
この構造は、SchnorrもしくはBLS署名が近い将来Ethereumで利用可能になると想定しています。トランザクションはOMGチェーンの活動を追跡し、Ethereumチェーン上で決済が行われる前に一定の満期の確認が必要です。 資金はOMG上で決済することができ、継続的な取引のために残高が更新され、Ethereumで支払いが行われるのは最終的なデリバリーのみとなります。
OMGチェーンの挙動によって、Ethereumチェーン上の決済の振る舞いが強要されます。非敵対的な環境下では、ユーザーが証明無しで直接決済を行うことができ、ブロックがある一定の成熟を迎えた後に決済が争われなかった場合は、ブロックチェーンの証明/計算を必要とせずに払い出されるライトニングネットワークのような構成が利用可能です。支払いがOMGチェーンの状態と一致しない場合は、誰でも証明を提供することができ送信者の残高は削減されます。これにより、Ethereumチェーンの計算効率と帯域幅効率が向上します。
OMGチェーン上のこの構造は、Ethereumのトレード、Ethereumのようなチェーン、そして、
Ethereumが発行したスマートコントラクトに結合されたERC-20と似たトークンの為にあります。
5.2 Comparison With Other Works(他との比較)
トレードは金融活動の基本的側面です。仮想通貨の取引構造を構築するため他者にも努力があることは驚くべきことではありません。
Poloniexのような一元化された完全補完型の仮想通貨取引所は高性能ですが、一つの主体が責任を持って保管し、誠実に注文が実行されるという信用に依存しています。
Ripple(XRP)などのネットワークは、合意を形成するために信用できる名前付きのバリデーターに依存しています。ゲーム理論は不変的な集合に収束します。さらに、Rippleの取引機能では発行された資産を独自のプラットフォームで取引することに依存しています(保管場所の選択について重大な問題を伴います)。分散型取引所では、発行されたゲートウェイを作成せずにEtherやBitcoinを交換することはできません。
EVMスマートコントラクトを使用する多くの分散型取引プラットフォームは、チェーン上(Ethereumネットワーク上のすべてを強制し、クロスブロックチェーンの活動を許可しない)で直接行うか、単一の実行エンジンを使用せずにオフチェーンで行うかのどちらかに依存しています。OMGチェーンは、固有の仮想通貨に対して完全に保管された資産を使用することなく、チェーン(ETH-BTCなど)間で取引を行うように設計されています。
新興のネットワークでは、分散型取引関連の設計が提供される場合もあります。例えばCosmos。これらのネットワークはまだ完全に導入されていないため、適切に評価したり比較したりすることができません。
5.3 Bitcoin Clearinghouse(ビットコイン クリアリング・ハウス)
一方BitcoinやBitcoinのようなシステムは、クリアリング・ハウスでシステムの外部に結合された資産も使用でき、BTCの取引や他の同様のブロックチェーンのシステムを作成することが可能です。
基本的に、この構成によりクリアリング・ハウスは、Bitcoinのようなブロックチェーンとの分散型取引を可能にするOMGチェーンによって結合・実施されるアクティビティを持つオラクルとして動作することができます。これは、外部取引を実行するエンジンをベースとした急速に分散された取引を処理するためのTier Nolanの仕事に基づいています。
クリアリング・ハウスは、支払いがBitcoinブロックチェーン上で確実に行われるようにするために使用されます。Bitcoinマイナーによるブロック生成という敵対的なインセンティブを防ぐことはコンセンサスと両立しませんが、外部システムへの攻撃のためにSPV検証は有効であるため、私たちはSPV検証の代わりにクリアリング・ハウスを使用します。
Bitcoinのようなシステムの場合、このシステムは、透明性のあるアドレスでのみ利用可能な展性の修正(例えば、SegWit)またはP2SH / BIP-66 / CLTV / CSVの組み合わせのいずれかを必要とします。
Bitcoinで契約を実施することは非常に複雑で現時点では使用不能なため、クリアリング・ハウスは必要とされています。これらのクリアリング・ハウスは、プレイメージおよびハッシュを生成することによって、Bitcoin(またはBitcoinのような)チェーン上の活動を開示する責任を持ちます。ハッシュは、クリアリング・ハウスが責任を負う活動にコミットされており、結合されています。もし、不適切なプリイメージをリリースしたり、OMGチェーンにプリイメージを開示することを拒否した場合、誰でも不正行為の証拠を提出したり、クリアリング・ハウスからカットできます。
これにより、クリアリング・ハウスはBitcoin側で資金が利用可能であること。同様に、OMGチェーン上に結合するために利用可能な資金が確保されている必要があることに注意してください。結合に必要な資金の場合、Bitcoin側で資金が確保・決済されるまで続くので、極端な資金は必要ありません。
クリアリング・ハウスはLightningチャンネルを運営していますが、チャンネル内の資金だけでなく、ETHで保有するOMGチェーン上に流れるであろう複数の資金フローを保有しています。
図1.アリスとボブはBitcoinブロックチェーン上のクリアリング・ハウスであるキャロルとライトニング・ネットワーク・チャンネルを持っています。支払プリイメージRはキャロルによって生成され、プリイメージのリリースはOmiseGOチェーン上の結合されたコミットメントによって実施されます。
アリスがBitcoinを売りたい、BobがBitcoinを買いたいとし、両方ともCarol のクリアリング・ハウスでチャンネルを開設しているとします。3人すべてがOMGチェーン上に存在し、キャロルを受け入れ可能な決済機関の仲介人にとして指定します。両者(ボブとアリス)がそれ(キャロル)を受け入れ可能と指定し、取引が参加者間の受け入れ可能なクリアリング・ハウスが交差する場合のみ行われる場合は、複数のクリアリング・ハウスを通じて転送が行われることに注意してください。
キャロルのクリアリング・ハウスは、OMGチェーンとスマートコントラクトのコンセンサスルールによって決定されるスマートコントラクトで、Ethereumの資金をロックします。キャロルは、特定のハッシュH(この時点でキャロルだけが知っているキャロルのプリイメージRによって生成されたもの)が署名された証明を提供します。キャロルは、自身が責任を負い署名したBTCに相当する額とともにハッシュHを提供します。これは、OMGチェーン上での証明(およびキャロルに間違いがあった場合のEthereumスマートコントラクト)として使用できます。
アリスがBitcoinを売りたいとき、彼女はキャロルが提供したハッシュHの値をリリースする時にHTLC支払いを作成します。同様に、BobがBitcoinを受け取りたい場合、キャロルはボブに提供したハッシュHの値をリリースする時にHTLCを送信します。
これらのHの値は特定の人々とOMGチェーンに関連付けられており、現在、資金は分散型取引で施行可能となっています。
取引がOMGの分散型取引所で実行されると、 例えばアリスがETHを得るためにBTCを売却し、ボブがETHでBTCを購入すると、取引はOMGチェーンで決済されます。現在、誰もが取引を実行する責任と義務を負っています。
アリスとボブがOMGチェーン上で取引を実行するということは、キャロルが関係するハッシュHのためのプリイメージRを解放する責任を追っているということです。ボブはこの情報を使ってBitcoinチェーン上の資金を引き出すことができ、キャロルはアリスから資金を引き出す権利を持ちます。
キャロルがOMGチェーンに関連する一定時間内にプリイメージ Rをリリースすることを拒否した場合、彼女への資金移動はカットされ、ETHはアリスおよび/またはボブに引き渡されます。(為替レートの変動を緩和するためと、キャロルが誤った行動を起こすのを妨げるための罰則とともに)
もしキャロルが誤ったプリイメージRの値をリリースしたとすれば、いずれかの当事者によってOMGチェーンに証拠を提出することができ、キャロルは罰金を科され、ハッシュHの値でロックされたクリアリング・ハウスでの取引契約を持つ当事者に与えられます。
クリアリング・ハウスは、参加者(アリス、ボブ)に直接コネクトする必要はなく、ルーティングされたネットワーク上で支払いを行うことができ、したがって資本効率を最大化することができます。
クリアリング・ハウスはすべてのアクティビティについて、使用料を請求することができます。
クリアリング・ハウスには、支払いを行うことについて何らかの信用がありますが、それらの活動には最小限の信用があります(OMGチェーン上の活動が結合されているため)。
補足:この構造は外部結合を介したHTLCの急速な消滅にも有用であり、分単位で測定される非常に短い期限で支払いを行う方法となりえます。クリアリング・ハウスはビットコインをロックアップする必要はなく、クリアリング・ハウスによって実施され結合された情報をリリースするだけです。この構成のさらなる説明は、別紙に記載されています。
これは、OMGチェーンが再結成を大幅に失わせる場合のみ可能なことに注意が必要です。
最終的には、Bitcoinの外部に分散された取引所を持つことができます。Bitcoinネットワーク上の参加者の活動は、Bitcoinで運営されているクリアリング・ハウスを通じた外部の分散型取引所の経済的インセンティブによって実施され、また外部条件によるプリイメージの強制的なリリースは、Bitcoinをプロトコルトークンブロックチェーンの取引に使用することを可能にします。私たちはこれが新たな構造であると考えています。
5.4 Smart Contract Data Feed(スマートコントラクトのデータフィード)
最近実施された取引のVWAPは、コンセンサスルールとしてOMGブロックチェーンで定期的に計算され、公開されています。
これにより、外部の契約では取引実行価格と取引量のマークル木SPV検証を使用することが可能になり、スマートコントラクトではより良い実行可能性が生まれるはずです。
図2.データフィードに対する定期的なコミットメントは、OmiseGOブロックチェーンに存在します。これにより、ブロックチェーンヘッダーのマークルルートをコミットメントすることで外部検証が可能になります。取引データフィードには、過去の取引価格、数量、および様々なVWAP条件(様々な時間および/またはブロック高)との一般的な交換ペアが含まれます。
あらゆる取引の主な機能は、注文書と実行を管理するだけでなく第三者のシステムで使用するためのフィードを持つことです。これにより、第三者のシステムがこの情報を使用し参加者が一つの会場で活動を網羅できるようになります。すべての(スマート)コントラクトには為替レート/価格設定メカニズムの基礎が必要であるため、このシステムにアクセスし取引所をデータフィードとして使用するこれら外部契約の参加者は、より高い保証と実行の透明性を得ることができます。これによりコントラクトの参加者は、振る舞いについての内容と分散型取引所へのアクセス権を持つコントラクトを作成することができます。
参加者がスマートコントラクトの価格設定の基礎としてOmiseGOチェーンのオラクルフィード価格を使用する場合、彼らはOMGチェーンにオーダーすることでより大きな実行を保証することができます。これにより、OMGチェーンの重要なネットワーク効果が生まれ、スマートコントラクトがより多く採用されます。
6 Lightning Liquidity Provider(ライトニング流動性プロバイダー)
資本流動性のネットワーク効果の周辺には集中化の圧力を中心として基本的な懸念があります。
多くの人々は、Lightning Networkがいくつかのノードに集中してしまうことにより手数料を引き抜くことを可能にしてしまうことを懸念しています。Lightning Networkは、流動性の高いノードによるこのような手数料を避けるように設計されています。しかしながら、よく接続されたノードを持つことには、いくつかの利点があります。
ノードがOMGチェーン上の活動と結合することができ、OMGチェーンが非常に流動性の高い単一のLightningハブとして振舞うことによって、上述のセクションのクリアリングハウスと同様のメカニズムを構築することが可能です。
ETHとETHのようなチャネルでは、これをスマートコントラクトに直接ロックすることが可能です。BTCベースのチャネルの場合でも可能ですが、チャネルに参加するアクティビティはOMGチェーン上に結合されたETHに支援された債権によって実施されます。支払いはOMGチェーンの参加者に送信され、外向きのアクティビティはこのチェーンのコミットメントによって実施されます。
多量の資本がこのシステムに割り当てられるのを防ぐために、OMGプラットフォームが成熟する前に制限が必要です。こうやって、クリアリング・ハウスや分散型取引所の資金調達は促進されることになり、巨大な流動性プールの創設を可能となります。
7 Economic Implications for OmiseGO Tokens(OmiseGOトークンの経済的意味)
トランザクションの手数料は、OmiseGOにネイティブです。バリデーター(検証者)は、このブロックチェーンのアクティビティを検証することで手数料を獲得することができます。
支払や取引の手数料は、このネットワーク上のアクティビティの支払いに使用されます。誠実なアクティビティにインセンティブを与えるために使用されるのです。
ブロックを結びつけるには費用がかかります。クリアリング・ハウスのように、他の人のためにこのネットワーク上につながっている人はおそらく手数料を請求することができるでしょう。
8 Limitations(制限事項)
このネットワークはオープンなネットワークであり、正確な取引活動のためには、たとえ盲目的(よくわからないよう)なコミットメントや入札であっても、最終的には一般に公開するため分散型取引所上での活動を必要とします。SNARKSを通じた新しい暗号化は可能ですが、大量の取引ネットワークでは、現在のところ速度が遅く、リソースを消費してしまいます。私たちは現在、パフォーマンスとスピードを最適化しています。 これはネイティブに匿名のネットワークです。(発行されたトークンにはオプションでAML / KYC構造を使用します)
他のチェーンのSPV検証は、再編成を妨げないブロックチェーンでは安全ではないと推定されます。再編成を可能とするチェーンでは、そのチェーンのフルノード検証が必要であるか、HTLCクリアリングハウスの構築が必要です。イーサリアムでは、最終段階(現在のプルーフ・オブ・ステークの検証作業)において、より高い信頼性と保証を生み出すものと推定しています。
これらの技術は新しく、まだテストされていません。私たちは、厳しい環境下で最大のセキュリティを構築するために最善を尽くす一方で、実際の使用事例で人間の行動を正しく理解するために必要な、これらのメカニズムの安全なモデルをモデリングしています。チェーン間が相互に作用している場合、エラーをロールバックすることは難しいですが、重要な分散型ブロックチェーンを跨いだ活動を行う際には、このチェーン上で一度に処理するために必要な最小限のものだけを置くべきです。
初期バージョンでは、敵対的な設定に対する堅牢性が低い可能性があり、ソフトウェアが開発されるにつれて時間の経過とともに攻撃(特にDoS攻撃)が解決されることが多くなります。そのため、私たちはより低額での出資を推奨します。パフォーマンスと現実世界における設計上の影響はまだ明確ではありません。
このネットワーク参加者の長期的価値を導き出すことができるものはまだ明確ではなく、仮想通貨業界での競争によって影響を受ける可能性はありますが、技術的に探究されている分野であるためバリデーターとして参加しても何も保証はありません。
一度に決済された金額(ただしまだ決済されていない)の合計は、バリデータの結合した額の合計を下回っている必要があります。追加金額を結合することは可能ですが、トークンの合計価値が十分に高い場合は必要でないかもしれません。さらなるモデリングは、システム固有の実施メカニズムに必要です。
このビジョンの達成は最終的にはOmiseGOチームの責任であり、著者はOmiseGOチームの一員ではなく、主に技術ガイドラインとアーキテクチャの提供のみを担当しています。
9 Conclusion(結論)
eWalletプラットフォームの人気が高まるにつれて、サイロ・ネットワークが問題になってきています。これにより、仮想通貨との相互互換性とともに、分散型ネットワークを介して法定通貨を交換できるユニークな機会が生まれます。
この分散型交換ネットワークを構築するには、発行されたトークンの支払いと交換に適したブロックチェーンを要するだけでなく、これらの活動をサポートする分散型取引所と、機能しやすい流動性プールの作成に関するインセンティブが必要です。
いずれ、これらの発行されたトークンは、個人の力を最大限にする完全な分権化(ユーザーが所有する鍵も含め)に漸近的に近づいていくかもしれません。これは、支払をやり取りするビジネスプロセスに透明性をもたらすだけでなく、中央集権化されたエンティティからビジネスプロセス自体の所有権を削除することによっても達成できます。
OmiseGOは、個人から発行者まで、各々のステークホルダーが社会の金融メカニズムにおいてはるかに大きな確実性を手にすることを可能にします。
10 Acknowledgements(謝辞)
Piotr Dobaczewskiがこのホワイトペーパーへの貢献を感謝し、ならびにインプットやフィードバックを与えてくれたRick DudleyとVitalik Buterinに感謝します。
勝手にまとめ
OmiseGOは、
・あらゆるオンライン決済で利用可能な決済プラットフォームを目指している
・OmiseGOブロックチェーン上で使われるトークンはOMGと呼ばれる。
・イーサリアムベースで作られている
・イーサリアムの動きに合わせて今後変わっていくことも多い
というところですが、最大の特徴は冒頭でも述べた通り
「オンライン決済プラットフォームとして、東南アジア中心にすでにプロジェクトが動いている」
ということです。
(ここからは私の期待も含めたまとめになります)
東南アジアにいくたびに思うのですが、東南アジアでは都市部を少し離れるだけで、まだまだ貧しい農村がたくさんあります。ATMがそこら中にあり、よっぽどの田舎でない限り紙幣をおろすことに困らない、なんてのは日本だけです。そういった地域に暮らす人々は、お金をおろすためだけに街に行かなければいけません。
また、私たち日本人には考えられないほど海外への出稼ぎ労働者が多いのです(日本でも増えてきましたが、昔から中東や台湾。お隣の韓国にもたくさんの出稼ぎ労働者がいます)。さらに、出稼ぎ労働で稼いだ仕送りを、銀行から送金しようと思うと多額の手数料を取られます(一回の送金で、日当に匹敵する金額です)。
ブロックチェーンの技術が発展し出稼ぎ労働者の人たちが手数料を気にせずに送金できるようになることは、非常に大きなメリットを生むことになると思います。技術が確立されれば、今後普及する可能性は非常に高いと個人的には考えています。創業者が日本人ということもあり、応援する気持ちも含め、今後の活躍が非常に期待される通貨です。
ただ、残念なことに日本の仮想通貨取引所では扱っておりません・・・
冒頭でも紹介したBinanceで購入することができますので、この機会に取引所を解説したい方はこちら↓の記事も参考にしていただければ幸いです。
ここまで読んでくださった方、長文お疲れ様でした。