仮想通貨はさまざまな目的を持って開発・リリースされます。たとえば、「イーサリアム」のようにアプリケーションプラットフォームを目指して開発されたもの。「アリス」のようにソーシャルメディアプラットフォームとして開発されたもの。このように、仮想通貨やトークンが開発される目的は多岐に渡ります。
しかし、もっとも多いものはやはり「決算システム」です。仮想通貨の代表格「ビットコイン」も、決済システムとして開発されました。
そこで本稿では、手数料の一切かからない決算システムである「IOTA(アイオータ)」をご紹介します。
1.IOTA(アイオータ)の発行年月日
2.IOTA(アイオータ)の取引高
3.IOTA(アイオータ)が開発された目的
4.IOTA(アイオータ)の技術的な特徴
の4つの項目についてわかりやすく解説していきます。
ぜひご一読ください。
1.IOTA(アイオータ)の発行年月日
IOTA(アイオータ)は2017年6月に発行されました。
略号にはMOITAが用いられます。
2.IOTA(アイオータ)の取引高
取引高:89億円/日
時価総額:5,282億円2,150万円
現在、時価総額ランキング9位に位置付けられています。
3.IOTA(アイオータ)が開発された目的
IOTA(アイオータ)は冒頭でも触れたように、ビットコイン同様に「決済システム」として開発されたプロジェクトです。しかし、ただの決済システムとしてではなく、IoT(Internet of Things:モノとインターネットを繋ぐ技術)での用途を視野に開発されています。
IoTは、家庭用・工業用共に近年非常に注目されていますが、日本ではまだ一般化には至っていません。デバイスに通信手段を組み込むこと。ネットワークとの接続にかかる安全性の問題。電力消費の問題等、まだまだたくさんの課題を抱えています。そして、最大の課題は、通信にかかる費用を誰が負担するのか?という問題です。IoTでは頻繁に通信が発生することになり、そこにはコストがかかります。一回あたりの通信にかかる手数料は少額でなければいけません。しかし、あまりにも少額である場合、法定通貨でそれを実現することは難しいという問題があります。
IOTAの最大の特徴は、取引手数料を無料にすることで、少額の決済(マイクロペイメント)にも対応することが可能となっていることです。
4.IOTA(アイオータ)の技術的な特徴
前述した通り、IOTAは取引の手数料が無料です。それを実現した技術が、ブロックチェーンを応用したTangleという独自の技術です。Tangleは、DAG(directedacyclicgraph:有向非巡回グラフ)という考え方を元に実装されており、BitCoinのように取引を承認するための合意形成にリソースを大量に消費することがありません。
仕組みを簡単に説明すると、
tangleでは、ある取引を実現するためには、他の人の取引を2つ承認しなければいけません。そのため、以下のような手順をとります。
- 取引を実現するために他人の取引を二つ選択。
- その二つを他の人が承認していないか(コンフリクトしていないか)を確認。
- 取引(トランザクション)の有効性を確認するために、マイニングに似た暗号学的な計算を行い、二重支払い等の問題が無いかを確認。
という流れになります。
この方法をとることで、取引を承認するために一部のマイナーのパワーに依存することがなくなります。取引の承認は、この経済システムに参加する人たちによって実現されます。
この技術によって、ビットコインやイーサリアムで問題となっているスケーラビリティの問題が解決されると言われており、決済スピードが早く、取引手数料無料という経済システムを実現しようとしているのがIOTAの特徴です。
また、セキュリティも非常に強固であるとされており、このようなことからもIOTAはIoTに最適な技術であるとされています。
しかし、残念ながらいいことばかりではありません。ブロックチェーンのように、全ての取引が同期されているわけではなく非同期で承認されていくことになるため、システムが非常に複雑になるとされており、現時点ではまだ開発段階というのが実情のようです。
なお、IOTAのアカウントにアクセスするには、Seed(シード)というラテン文字により構成されるパスワードを必要とします。このシードは、大文字のラテン文字9字にからなり、秘密鍵やパスワードのような役割を担います。
IOTAはブロックチェーン技術を導入していない新しいかたちの仮想通貨であり、今後の開発の行方が非常に注目の通貨です。
残念ながら2018年6月現在、日本国内の取引所ではIOTA(アイオータ)を購入することはできないため購入には海外取引所を利用する必要があります。購入を検討されている方は、日本で最も有名な海外取引所であるBinanceでの口座開設の仕方を下記に紹介していますので参考にしてください。
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